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もえはきだしば

小説倉庫的なところ
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これからちょこちょこ書いていきたい昭師昭

早朝のうすぼんやりした明かりに照らされ司馬師は目を覚ます。
己を包む重みと暖かさに顔をしかめてすぐ、自分にしがみついた状態で眠る弟の司馬昭が視界に入った。
弟はいつも、やれ怖い夢をみた、やれ寒くて寝れない、などと言っては兄の寝所に潜り込んでくる。
もう10歳になるというのに甘え癖がなかなか抜けない。困ったものである。
まだあどけない面差しをした弟は、自分にぴったりとしがみついたまま呑気に寝息をたてている。
ふわふわの猫っ毛が、司馬師の顎にかかってくすぐったかった。引き剥がそうと頭に手を伸ばすが、、
弟の毛の感触の心地良さに、しばし頭を撫でる。自分とは全く違う髪質。
司馬師と司馬昭は、実の兄弟だというのに全く似ている部分が無かった。
自分とは違う髪、違う肌、違う性格、違う身体を持った弟。だからこそこんなにも可愛いのかもしれない。
 
「こら、昭。起きろ」
 
ともすれば弟に甘くなりがちな自分を自制する。
弟可愛さに甘やかしてしまっては、かえって彼のためにならない。
司馬師は兄として、弟にきつく教育をすることを自分に律していた。
 
「あにうえ、おはよー」
 
弟はとろんとした眼差しで兄を見つめ、そしてしがみつく腕の力を強めてきた。
司馬師は息苦しさを感じながらも、弟の髪を弄ぶ。弟はふふ、と笑い
 
「兄上に頭なでられるの、好き」
 
ぐりぐりと頭を押し付けてきた。
司馬師は弟の頭をわしゃわしゃとかき混ぜる。
弟はうっとりと目を閉じ、体重を己に預けてくる。
なんだか今日はいい気分だった。窓から差し込む日差しは程良く温かく、弟の体温も心地良く、
このまま二度寝してしまいたいくらいの心地良さだった。
しかし司馬師は寝坊というものをしたことがない。
そろそろ起きて出かける準備をせねば、となどと考えていると
傍らの弟が急にもぞもぞし始めた。
 
「ん?どうした、昭」
 
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