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もえはきだしば

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きりこ先生の小説まとめ

 いつものように執務を放り出して城内をぶらぶらとあてもなく歩いていた司馬昭は、木陰に思いも寄らない人物を目にして思わず歩みを止めた。
じりじりと照りつける陽射しを避けるようにして大きな木に凭れ掛かりながら眠りこける兄の姿は、司馬昭にとって意外なものでしかなかった。
まさか、この人がこんな時刻に居眠りをしているとは。しかも自室ではなく、このような場所で無防備な姿を晒して、近付いている己の気配に気づくこともなく。
何度元姫に怒られても懲りること無く脱走を繰り返しては仕事を溜め込んでいる司馬昭とは対照的に、この兄が執務時間内にそれ以外のことをしていたという記憶は、少なくとも司馬昭の知る限りではほんの一欠片も無かった。

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